「でね、ニヤニヤしたあとは決まって彼氏がいないことをバカにするんだよ?」


「洸お前…またかよ。」


竜樹くんは若干苦笑いを浮かべながらも私の味方になってくれる、優しいお方なのだ、洸とは違ってね。


「そんなに智璃ちゃんと仲良くしてると浮気してるって彼女に言いつけるぞ。」


そしてこの渾身の一言。


洸の顔が一瞬で変わった。
さすが洸の友達、扱いが私より馴れてる。


「バカ、おい、竜樹…この前喧嘩してケーキ奢ったばっかだからやめろよ?」


……ふーん。
喧嘩してたんだ。

しかも、ケーキ奢らせる彼女とか…

まぁ、顔だけで付き合ったのならそろそろ冷めて来る頃だろう。