「そうだよ、うちらは無理だよね~!」

「え?」

「無理って言ってんじゃん!やっぱ気ままが一番でしょ?!」

私は自然とした顔で話したつもり―だったのに。
光希はここまで分かっていたんだ。

「千沙―…」

「ん?何?」

「千沙、嘘ついてるよね?
正直なこと、言ってよ?―」


私は、友達を裏切ってしまったのかもしれない。
本当に、臆病者だよね。


信号が青になったのにもかかわらず、下に俯いたままの私。

「―まぁ、行こうよ」

「うん…」

日が当たってできている影は、次第に動き出す。