村木がいた。
昨日と同じように。

話しかけたかった。

それは無理とはいえないものなのに。
私には到底無理だった。

気がつくと
私は一人で立ち止まっていた。


「千沙ー何してるのー?!早く帰ろー」

光希の言葉で我に返った。

私は光希の元へ走る。
一度も振り返らずに。


―もう、後ろを向いてはいけない。
そんな気がしたんだ…