中学二年で一番でかいイベントと言えば修学旅行だろう!!

運良く美紗と真美と同じ班の祐也にとっては、ある意味心臓に悪いイベントなのだが…

せっかくだから、楽しみたい。


だいたいどっかの山奥に行くわけで、初日は当然ハイキング!!

「ちょっと待ってよ。谷井君!」

美紗が後ろから叫んできた。10メートルくらい離れているだろうか…

テニスをしていると言ってもやっぱり女の子、アップダウンの激しい山道を4時間以上歩くのはさすがにきつい様だ。

「だらしないなぁ、美紗は」

笑いながら真美が後ろに言葉を投げた。真美は息ひとつ切らさずについてきている。

「そんな事言ったって…」

スネタ…カワイィ。
同じ班にいる他の男子が何か言葉をかけていた。

遠くて良く聞き取れない。

「ポチも物好きのだよねー」

「何が?」

「あんなチビッコよりあたしの方が良いと思わない?」

「そんなの好みの問題だろ?」

「あー、分かった。あたしを狙ったらライバル多いもんね。」

「まぁ、確かにね」

苦笑いして見せた。
真美がモテるのは事実だが、本人は言っているほど自覚がない。

故に、祐也に対しての言葉はただの冗談でしかないのだ。