「ポチー、起きろー!」

真美が祐也の体を揺さぶる。

ポチとは、小学校のころ友達に意味の分からない理由でつけられた愛称で、中学にきたら消えると思っていた。

が、祐也の考えは甘かった。偶然その愛称を他の男子から聞いた真美が、カワイィーと言って引き継いでしまったのだ。

透き通るような白い肌、活気ある声、綺麗な黒髪のポニテール。

アーモンド型の目・スッと絞まった唇に整った輪郭、中学生には充分な胸の膨らみに腰のライン。

バスケ部で激しい運動をしているせいもあって、お腹回りのスタイルは申し分ない。

そんな真美に言われるなら悪くないかなと、祐也はあえて拒む事なく今まで過ごしてきた。


それに真美とは小学校の頃からの顔見知りでもあった。

同じ地区の少年野球チームに所属していたのだ。