「谷井君、また来たとたん寝てるよー」

祐也の前の席に座る真美(まみ)が、更に一つ前の席に座る美紗(みさ)に向かって言った。

「アハハ、男の子らしくていいんじゃない?」

美紗の高くて歯切れのいい声が、祐也の鼓膜を揺らす。

初恋の相手の声に反応する祐也。

青春?真っ直中の中学2年生。