「隣にいるのは、柚紀那じゃ無くて澪」

悔しくて横顔に
キスをした。

頬に唇が触れた時、もう一度涙が溢れる。
こんなにも真哉が好き。
私の涙が真哉の頬に付いて、泣いてるかのように見えた。

光を浴びて茶色く流れる髪の毛。
中学校の時より少し逞しくなった。

〜♪

真哉の携帯電話が鳴った。
送信元を見ると、
柚紀那だった。


今さっきのキスに罪悪感を感じた。
でも、たまには勝たせてよ?


「さあ来ーい!!!」

グラウンドから野球部の声が聞こえる。

私は一気に残りのポスターを仕上げた。

それから戸締まりをして、さっきの机に戻ると真哉が起きていた。

「ごめん、寝てた」

「いいよ!早く帰りなよ柚紀那からさっきメール来てたよ」

「うん★まじありがとう!今度なんかおごるわ!じゃなっ」

「うん......バイバイ」