「そうかも〜片思いだな!可哀相な俺」

笑いをこらえながら真哉が泣きまねをする。

「きしょい」

「!?傷つく〜」

ああだこうだ言っていたら図書室の目のまえに着いた。

真哉といると、時間が短くなる気がする。
もっとたくさん長い時間喋りたい。
隣にずっといたい。

どうして私じゃ駄目なのかな。

図書室の中はポスター書きに集中していた。

「出遅れた〜!」

真哉が自分の額をぺちっと叩く。

「出遅れた〜!」

私も自分の額をぺちっと叩いて真哉に視線を向ける。

「真似すんな!」

微笑みながら体の方向を変えて、先輩の方へ進んで行く。

そんな真哉を慌てて追い掛ける。

「先輩!遅くなりました。1-Bっす」

「いいけど、時間遅くなるんじゃない?」

「どうしてですか?」

「ポスタークラスで2種類の物を3枚ずつ作るからねw。はい、画用紙。」

「ま、まじすか!?十時、早く描こうぜっ。先輩ここのペン借りますね」