私は廊下に出て、窓を開けた。
春の温かい日差しと、まだ肌寒い風が髪の毛の間をするりと抜けていく。

「あたし、どうすればいい?」

小さく呟いてみたけれど、太陽は雲に隠れて答えてなんかくれなかった。

この日は結構真哉とたくさん喋れたから、上機嫌のまま放課後を迎えた。

「十時?行くぜ〜」

「あ、うん!何処行けばいいんだっけ?」

「は?話聞いてねえなあ〜!図書室でポスター書き」

「忘れてただけだよ!」

ありがとうって素直に言えない私。可愛くない。

私はちびだからあまり背が高くない真哉でも、結構大きく見える。

その隣をちょこちょこ付いていく。

「そういえば、今日柚紀那来るんじゃないの?」

「俺が部活の時間終わったくらいにね♪」

「そっか」

「そういえばさ、昨日俺犬触ってたらさ追い掛けられて、」

「犬から嫌われてるんだよ★」