私もいつまでも図書室に居るわけにもいかないから、また泣きながら出口へ向かう。

施錠し、職員室へ向かう。
泣き顔がばれないように俯いて歩く。

上履きが汚い。
私も汚い事しちゃった。
謝るのはこっちだよね。
ごめんね、キスなんかしてしまって。

グレゴリーのショッキングピンクのショルダーをしっかりと、しょいなおして、きつく靴紐を結び家路を急ぐ。


しばし歩くと土手で真哉を見つけた。

あれ?真哉一人?

「真っ」

名前を呼び掛けてやめた。
なぜなら、
柚紀那が下からのぼって来たから。

手を繋ぐ二人。
微笑み交わし合いながら、叶わない事を
目の当たりする。

耳にあてていたiPodから流れる曲はaikoの《アスパラ》だった。


アイスは溶けて
ただまずいだけ
照り付ける日差し
可愛くないわ
泣きたかったのに
あたしの顔は
認めるしかないと笑った