一「何言って…………!?
一葉、おま!……女!?え!?」


棗「気付いて無かったか。よかった。

うん、信じられないよね。
何年も一緒に居たのに、知らないのは辛いか……………。
黙っててゴメン。一磨」




そう、棗が言い終わると同時に、俺は反射的に棗を抱きしめた。




棗「何やって………!?」


一「ちょっと黙ってろ!」




自分でも何やってんのか、分からなかった。だけど、何故か今は、このままでいたかった。




一「…なにこんなちっせぇ体に、色んなもん背負い込んでんだよ!テメェは!」




言葉が自然にでた。
それに何故か、俺はこの背中と、懐かしい香りと、俺の"失った記憶"を、少しだけ思い出した様な、そんな気がした。




棗「………………ダメですよ、一磨。いけません。私から離れて下さい」


一「何で、」


棗「貴方は私を求めてない」





棗は、これ以外に何か隠している様な、そんな言い方をした。そしてそれは、俺に凄く関わっている。