髪をなびかせる風が、いつの間にか
流れていた私の涙を乾かしてくれている気がした。

「美桜。」

そう、私を呼んだその声はすとんと
私の心に落ちた。

「うん。」

「私、美桜にだけは後悔してほしくない。」

「うん。」