「な…なんで…」
これが、アタシの第一声だった。
今、目の前に広がる光景、それは、とてつもなく酷いものだった…
何十人もの人が倒れ、いたるところに血だまりができ、誰一人として動かない。
それどころか、息をしているのかさえわからないくらいだ。
「なんで…みんな倒れてるの……誰がこんなこと…アタシの大事な仲間を……」
アタシの思考回路は今だに動かない。
ただ、理解できていること。
それは、ここが揆霸躯の溜まり場であるということ、倒れているのが全員、男であるということ、そして何より…その男たちが全国No.1の暴走族、天龍であるということ。
アタシの頭の中には疑問がたくさんあった。
なぜ、揆霸躯の溜まり場に天龍が倒れているのか?
誰がこんな大勢の天龍の人達を倒したのか?
「許さない…絶対に潰してやる…」
アタシはそう心に誓った。