ヒナタは目に大粒の涙を溜めていた。
ぽたっぽたっと机の上に雫がたれた。
それは涙ではなく、額と首筋にびっしりくっついていた汗だった。
ふとグランベリージュースを見たら、冷えて水滴がグラスにびっしりとついていた。
共食いみてぇだなと必死なヒナタの顔を見て思った。

「いいよ。」
ヒナタが顔をあげて恐る恐る俺を見上げた。

「幸い俺は1人暮らしだし、誰に断らなくてもいいし。」
「よ、良かったぁ。」
彼女は初めて笑顔を見せた。

「お前さ、知らない男の家、しかも1人暮らししてる男の家なんか泊まったら、何されんのかわかってんのかよ。」
ヒナタは不安そうな表情を見せた。

「、、、な、何をするんですか?」
「いや、俺はそんな気ねーけどさ。お前みたいに無防備だといつかやられて殺されるぞって意味。なんかアンタ世間知らずのお嬢様って感じだからさ。」
「あの、私ヒナタです。名前で呼んでください。」
怒った顔をした。

なんか、ころころ表情が変わるな。
俺は、ヒナタに興味を覚え、それと彼女はどことなく放っておけない雰囲気があった。
まるで、生まれたばかりの赤ん坊のような目をしていた。

「じゃあ、ヒナタ、、、でいいよね?ヒナタは何歳?」
「年齢は、、、言いたくありません。」
「そんなに、年取ってねーだろー。まぁいいや、お金持ってるの?」
「持ってません。」
「いいよ。ここおごってやるよ。てゆうか、これから俺が養わなきゃいけないってことだよな?俺、金だけはたくさんあるから、心配しなくていいよ。」