お父さんと遊んでいる子供のおもちゃを壊した自分。
ただ寂しかった自分。

でも俺はショウマを許さない。
ヒナタの正体がなんであれ、俺の守りたいモノは今ヒナタしかいないんだ。

ショウマはなにか呟いてから出ていったが、なんと言ったのか聞き取れなかった。


「着替えたいから、出てって」
ヒナタがささやくように言った。

「あぁ、ごめん」
ヒナタを残して部屋を出た。

夕日がリビングに差し込んでいた。
薄暗くなった部屋で、季節はずれのセミの声が聞こえた。