「うん。ない」

「どうして?」

「、、、、入れないって言われたの」

「誰に?」

「お父さんに。、、、私のことはいいから、ケンちゃん学校行きなよ」

「うん。明日から行かないと、ここ追い出すって言われたよ」

「え、、、、」

「心配すんな。明日からちゃんと学校行くことにしたから」

「そう。良かった」

「でも、一人で暇になっちゃうだろ?」

「そんなのなんとでもなるし。ケンちゃんに学校に行ってほしい」

「そっか」

ヒナタは意外としっかりしてると思うところが増えてきた。
なんだか日々ものすごい速さで成長してるかのようだった。
そんなはずはないが。


次の日から、俺は真面目に学校に通い出した。
もともと夜行性の俺は、朝が苦手だったが、ヒナタが起こしてくれるようになったから遅刻も無くなった。
ヒナタはヒナタで、『一人でお留守番』も楽しんでいるようだった。

「おい。ケンジ、お前2週間も来ねぇなんて、どーかしたのか?」

こいつは、君高ショウマ。
学校で俺が会話する数少ない人間のうちの一人だ。

別に友達ではなかったが、何故か向こうからなついてきた。
ほかのクラスメイトは休みがちで渋谷に入り浸ってる俺なんかとは、関わりたくないといった雰囲気だ。
ショウマ自体はほかの連中とも仲が良かった。ただ表面的にワルぶって調子にのってるだけだ。