「じゃ、この前のカフェ行く?」

ヒナタが提案してきた。

「いいよ。俺はどこでも」
左手は握ったまま、歩き出した。

めまいと強い日差しで、視界はとても幻想的だった。
ふわふわと、雲の上に連れていかれるような気分だった。
俺の腐った魂を清めに、ヒナタはヒラヒラと飛んでいく天使だ。

カフェに着いて、今度は俺もグランベリージュースを頼んだ。
ジュースがくる前に、店員が持ってきた水を一気に飲み干した。

体にすぅっと染み入るようだった。
本当に脱水症状を起こしていたのかもしれないな。

「ケンちゃん、もうおうち帰ろっか?」

「いいよ。少し休んだら良くなるよ。」

くたくたになるまで遊びまわりたい気分だった。
このまま帰ったら、また俺の腐った魂が思い出したくない記憶たちを思い出しそうだった。

「今日は、二人でたくさん遊んで帰ろう。どこか行きたいとこある?」

「行きたいとこっていわれてもわかんない」

「そうだなぁ。じゃあ、俺のお気に入りの場所に連れてったげるよ」

俺たちは昼ご飯を食べ終わると、カフェを後にして近くのゲーセンに向かった。

「ココが俺がいつも時間潰してるゲーセンだよ」

ここのゲーセンは1階にプリクラとクレーンゲーム、2階にアーケードゲームが入ってて、3階がコインゲームだった。
最近は、2階のオンラインアーケードゲームをやることが多い。

「これは、何をする場所なの?」

「ゲーセン来たことないの?」

「ゲーセン?」

「ゲームセンター。ゲームをするところ」

「ゲーム、、、チェスみたいなゲーム?」

「ゲーセン来たことないの?」

「多分ないと思う。でもお父さんとチェスをしたことならある。そうゆーゲームじゃない?」

「いいよ。とにかくやればわかる。いこ!」