「ケンちゃん、ケンちゃんどうしたの?」

ヒナタの声で、我に返った。
体中汗がびっしりと吹き出していて、洋服が体にねっとりと張り付いていた。

「顔色悪いよ?どうしたの?」

「別に、、、何でもないよ」

「休んで行こうか?」

「いいよ。それより、そのワンピース買うの?」

「うん。私はステキだなって思うけど、どう思う?」

「うん。似合ってるよ。予想外に。そのまま着てけば?」

「そんなことしていいの?」

「お金を払うんだから問題ないよ。」

「じゃ、そちらの白いワンピースの方お包みしちゃいますね~。」

「はい!」

ヒナタは初めての体験なのか、とても嬉しそうにルンルンと回って見せた。
俺たちは、そのお店を出て、ほかの店でも店員がすすめるままに何着か買って109を出た。

「なんかいっぱい買っちゃったね」

「いいよ。俺の金じゃねーし。ほかにどっか行きたいとこないの?」

「でも、ケンちゃん具合悪そうだよ?休まなくて大丈夫?」

ヒナタは右手を俺のおでこにあてて、左手で俺の手首を握ってきた。
ヒナタの手はひんやりと冷たく気持ちよかった。

「熱は無いみたいだね。
脈拍が少し乱れてるけど。
さっきすごい汗かいてたから、ちょっと脱水症状になってるかもしれないから、どこか飲み物やさんに入ろう」

確かにだんだんめまいがひどくなっていた。