ちょうどその時、あの下品な店員が戻ってきた。

「彼女さんどおでしたかぁ?」
「まだ見てないから。」
「あ~そうだったんだぁ。お姉さんサイズどうですか~?」
「あ、サイズはぴったりだと思います。」
「お姉さん開けちゃってもいいですかぁ?」
「あ、はい。」
「うわ~マジでかわいぃ~。出てきてこっちの鏡で見ちゃってください~。」

俺はヒナタと顔を合わせるのが、気まずくて下を向いていた。
ヒナタがカーテンの奥から出てきた瞬間、まるでスローモーションのように新しいヒナタが俺の視界に入ってきた。

それはまるで、蝶がさなぎから美しい姿になって出てくるかのような神秘的な光景だった。
ヒナタがヒナタでないかのような錯覚にさえとらわれた。
彼女の黒い大きな瞳と長い黒髪と白い肌に黒いワンピースがよくはえていた。

そして、紫のラインは今まで彼女から感じたことのない妖艶な色気を演出していた。
まさに彼女は暗がりから飛んで現れた夜の蝶のようだった。