さー、演技でもしますかね。


「う、ひっく」

The.泣き真似!

泣き真似が得意な人から直々に教えてもらったから、見破れんだろう。

智怜の肩が細かく震えている。

笑っているんだけど、泣いているように見えるだろう。

「ハハハ、俺中野さんに報告するのチョー楽しみ」

「あー面白い。ムービー撮ろっかな」

いや、それはマズイ。

「響、走るよ」

智怜の指示を合図に私たちは鞄を持って教室から走って逃げた。