ガラガラと教室のドアを開けると、騒がしかった教室が急にシンと静まり返った。
クラスのほとんどの人がちらっとこっちを見てからコソコソ陰口を言い始める。
「マジ~!?サイテーじゃんあの二人~!」
「まぁ、前からウザいと思ってたんだけどねぇ!」
「ほんっと!調子に乗んなよっ、見たいなぁ~?」
聞こえるようにいっている。
こーゆーことですか。
なら、私らは全然おっけー。
陰口くらいでへこたれてちゃ、族のトップはれませんからねー。
「響、机に何かあるんだけど」
智怜に言われて机を見ると、ソコには綺麗なユリが生けられていた。
一本ずつ。
「この短時間でよく用意したねー」
「ほんとほんと、智怜ちゃん感激ー」
智怜が棒読みで言った台詞は、少し皮肉っていた。