ドアを見ると若干凹んでいるようなきがした。

ツカツカと智怜が日向に近寄り、痛そうな右手をしっかり掴んだ。


「いてぇいてぇいてぇいてぇいてぇ!!マジ触んな!」


「はい骨折ー、全治三週間くらいかなー?あんまりグッパグッパしてたら悪化するよ?さっさと病院行きな。とりあえず・・・」

と言ってポケットから包帯を取り出した智怜。

応急処置だな。

ぐるぐる巻いていって、


「応急処置しか出来てないからちゃんと病院行けよ?響が利き手怪我させちゃってごめんな」


うん、やっぱり智怜は優しい。

包帯の巻かれた右手をじっと見ながら、日向は動かなくなった。

「ひ、ひどぉい!疾風に怪我させるとか、サイテー!」


今まで月光幹部の出していた殺気に怖じ気づいていた雛が慌てて私をけなし始める。


「・・・疾風、騙されるな。そいつ、敵」

今まで一切しゃべっていなかった松田恭也(まつだきょうや)。


「っあぁ、わかってるよ」


そそくさと私たちから離れた。

ふん、所詮その程度の実力ってゆーことだね。