昔からずっとあたしの出席番号のひとつ前は翔吾だった。


あたしが上履きを履き終えたのを確認すると、翔吾はすたすたと薄汚れた廊下を歩きはじめた。


あたしの少し右斜め前を歩く翔吾に入学したばかりの後輩の視線が釘付け。


新学期初日、人がごった返すなか、翔吾の通る道だけは自然と開いていく。