「澄乃」


わたしはスミノって名前を変えてしまいたい。


颯佑のスミノは寿美乃の方が大きい気がするから。


「…もう、僕は寿美乃とは切ったよ」


「えっ?」


「ややこしいな…渡辺澄乃が寿美乃のことを気にすることはない」


「…颯佑」


まるでわたしの心を読み取ったようにそう前を向きながら言う。


「僕の中で渡辺澄乃を見ていくことにしたから」


「視野狭いね」


ほんとは嬉しいのに。


「前々からだよ、そんなの」


「ほんと、不器用」


素直になれない。


ありがと、颯佑。


ありがとうございます、寿美乃さん。