「…そっか、ん、悪かったな、勘違いしちまったみてぇだ」


「は、はあ…」


なんだ、何なんだ、彼は。一体彼の中で何が起きているっていうんだろう…。


「あ、そういやお前も一年だよな?そのYシャツの色を見る限り。名前何?クラスは?」


(一気に色々と聞きすぎだよ…)



心の中でそう思い、若干呆れてしまった。
だってさっきまであんなとんでもない事言ってたのに、コレだ。
呆れたくもなってしまう。

でも聞かれたなら答えなければ悪い気がして、私は彼に答えた。


「名前は下野宮です。クラスは…えっと…」

「まだ見てねぇの?なら仕方ねぇか」


何故だから上から目線で言われて少しイラッとしてしまった。
彼を見る限り、意識したわけじゃないんだろうけど…。


「っとやべえ…はっせーと待ち合わせしてたんだ。っつう訳でじゃあな、下野さん!」


そう言うと彼は人混みの方に走って言ってしまった。
って…あれ…。私、彼の名前聞いてない。
私は名乗ったのに…。

そんな風に思っていると、大声で私の名字が聞こえてきた。