「えっ……? 浪江さんっ?! 
危ないっ」

バランスを崩した私は、ちょうど目の前にいた秋中さんにとっさに腕を引かれ、転ぶことなく無事だった。

「す、すみません……」

昨日も近かったけど、今日も秋中さんが近い……!

頬が熱くなるのを感じながらもどぎまぎと秋中さんにお礼を言い、留奈さんを睨み付ける。

「留奈さん、昨日も言いましたよね? 
危ないって」

「えへへ、ごめんって」

頭をかきながら眉を下げているけれど、やっぱり反省はしていそうにない。

留奈さんに目を向けた秋中さんが、いつもの穏やかな笑顔を引っ込めて、でも優しい口調で諭すように言った。

「昨日の遊びの続きかい?
楽しそうだけど、あんまりはしゃぎ過ぎたら本当に危ないよ? 

波江さんが怪我でもしたら大変だ」