「こんばんは。留奈さん? ですよね? 
私のことはきなこって呼んで下さいっ。
さくらちゃんの友達ですっ」

仲良くしてください、と手を差し出すきなこちゃんに、留奈さんも笑顔でそれに応え、二人はにこにこと握手を交わしている。

やっぱりきなこちゃんは人懐っこいなぁ。
あ、留奈さんもか。

人懐っこい二人はすぐに仲良くなり、まるで以前からの友達のようなノリでお喋りを始めた。

内容はもっぱら私と秋中さんの事が中心で、恥ずかしくなった私は夕食を出すから、と慌ててキッチンへ逃げた。

とはいってもワンルームの部屋。
二人の会話は丸聞こえ。

「へぇ、さくらちゃんって学校ではそんな感じなんだぁ」

「はいっ! 愛されキャラです!
可愛いってよくいじられてますよ! 

実は狙ってる男子が何人かいるらしいって噂ですっ」