いっぱい悩んだよ?


アナタに伝えようか。



だけど私は日陰の女。
子供が産まれてもこの子も日陰の子。

産まない方が幸せなのかも。






思い切ってママに言ってみた。


赤ちゃんができた事も
相手には奥さんが居る事も


最初は反対された。

「そんなんで亜海が幸せになれるとは思えない」

って



だけど私はお姉ちゃんを味方につけ、
ママを説得させる事ができた。





問題は…





『あのね…赤ちゃんできた…』



「……」
産んでくれ。とも
堕ろせ。とも
何も言わない。



『私、何を言われても産むから』


結局アナタが口を開く事はなかった。



ものすごく暑い夏の日


ものすごく元気な男の子が産まれた。



成長はすごく早くて気付けば小学生。


産まれてから色々あったよね。

アナタが
仕事先から
お母さんから


…奥さんからの電話に出るたび

悠宇の口を塞いだり、
別の部屋に連れて行ったり…


一度は奥さんからの電話に出ちゃった事もあったなぁ。


悠宇には
すごく
寂しくて
ツラくて
苦しい思いをさせたね。



幸せになるためにアナタとの別れも考えた。



でも悠宇にも私にもアナタは必要で…


俺が小学校高学年になるまで

戸籍上、父親が居なくて寂しいって思った事は

正直なところ





一度もなかった。




自転車の練習も
キャッチボールの練習も
やりたい時はいつも一緒にしてくれた。






俺も春から
中学生になる


今の世の中
ひとり親というだけで同情されたりする。



だけど俺は
ひとり親でも充分幸せな自信がある




母親がツライ思いをしてたら


今度は












俺がママの事を守るから。








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