強い光に視界をさえぎられ、無理やり瞳を閉じると
天敵の太陽のとはかけ離れた冷たい光で全身を包まれた。
この感覚は嫌いだ………。
そう思いながらも、身を任せるほか無かった。
――――ゴォー
冷たい風が俺の体にぶつかってくる。
ゆっくりと目を開けると、樹齢何億年とも思われる一本の木が聳え立っていた。
後ろには断崖絶壁………。
覗き込むと、漆黒の闇が広がっていて、いまにも吸い込まれてしまいそうだ。
紫色の空に、大きな三日月が浮かんでいる。
ここが俺の故郷………、魔界だ。
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