『別に、なんでもない。』

無理やり足を動かすけど、どうやっても引きずる形になってしまう。


「あーー。ここ屋上だよねー。女子の部屋2階だから、いっぱい階段降りなきゃだね!気をつけてー。」


…マジかよ…。最低…。


『ご心配どうもー。』


それでも、こんな性格悪い颯太君に連れてってもらうのは嫌だ。

だから、無視して屋上を出ようとした。



「ちょっと待て。」

ドアを開けようとしたとき、颯太君から声がかかる。

こんな口調の颯太君、慣れないなぁ。


『なに?』

「本気で降りてくつもりかよ。エレベーターとかねーよ?分かってんの?」

『わかってるよ。』


仕方ないじゃん。
死んでも、今の颯太君の世話にはなりたくないし。