颯太君の豹変ぶりに驚きながらも、私は、ごまかし通そうとした。


「…じゃあ…そうだなぁ……。」


私の、絶対言わないという態度が伝わったのか、颯太君が考え込むそぶりを見せた。


「…それなら、証明して見せてよ?」


その言葉を最後に、私は、倒された。


屋上の岩肌が背中の骨にあたって痛い。


『な、なに…。』

「いつものふわふわ結菜ちゃんなら、これを拒否することなんて出来ないよね?」


……なにこれ。こんなの颯太君じゃ…ないよ…。


「…そう、かたつむりを目の前で見せられたとき。あの日の結菜ちゃんの拒否の仕方は、自然で良かったなぁ。」

『み、見てたの!?……うぁっ…。』


平然と言葉を話しながら、私の頬を撫でる。

その手が、首筋に落ちたときには、声が出てしまった。