おんぶされて動くうちに、涼しくて気持ちいい風が吹いてきた。

私たちがいたのは屋上。その静けさからして、ここにいるのは2人だけだ。


『………部屋。』

多分少しの時間だったと思う。でも、その少しの沈黙が耐えられなくて、私が口に出したのは、その言葉だった。


「ん?」

『……部屋に。連れてってくれるんじゃなかったの?』


自分で言って、可愛げのない言葉だと思った。


あーー。やば、ちょっと素が…。