それから少しして、お互いに落ち着いた頃。
いやまぁ、いつまでも涙が止まらなかったのは、私なんだけど…うん。
…私が、落ち着いた頃。
「…今更言っても、言い訳みたいにしかならねえけど。話…聞いてくれるか?」
その言葉に、私が静かに頷いたのを見た颯太は私の頭をゆっくり撫でてから話し出した。
颯太から聞くことは、驚きばかりで。
私が知らなかったことばかりで……。
私が、1番弱くなっていたあの頃。
私だけじゃなくて、颯太も苦しんでたんだって改めて思い知らされた。
「……事の発端は夏休みが開けてすぐ。俺が、クラスで結菜を抱きしめたとき…つーか。それが原因だったーーー」