颯太の横へ行って、私の目線よりだいぶ上にある颯太の顔を見上げる。


…あぁ。久しぶりだな、この感じ。

不意に鼻を掠める、嫌いじゃない…いや、大好きな颯太の香りも。

颯太を見上げる私を、見下ろす颯太も。

…でも、見下ろすなんて表現は合わないくらい、優しい目も。


そんなことを考えているうちに、涙がこぼれてきた。


どうしてこんなに泣き虫になってしまったんだろう。

いや、違うな。


颯太のことだとすぐに涙が溢れるんだ。

嬉しくても。悲しくても…。