『………はぁ…はぁ………。』


体力ってものがないのか!?

と、怒鳴りたくなるほど走らされた私は今屋上へ続く階段の前にいる。



「…結菜。この間はごめん。迷惑だったよね。」


しんみりとした顔つきで言ってくる楓にいてもたってもいられなくなって、私は声をかけた。


『ううん!あの、あれは…私が悪かったんだ。楓が、私のこと思って言ってくれたの分かってた。』


私がそう言うと、楓が顔をあげた。

その顔は、びっくりするほど笑顔で。

しかも、怪しく光っていて。


……あ、これはヤバイ。


そう感じたけど、すでに遅かった。