そんな楓が、私に優しく微笑むと同時に、私は走り出すことになった。

…まぁ、楓が私の手を握って前を走っていくからなんだけど。


おかげさまで、机に思いっきり足ぶつけたよ。


行く先も告げず、どんどん進んでいく楓。

『ちょ!楓!!どこ行くの!?』


私の問いかけにも返事は帰ってこなかった。


でも、強く握られた私の腕が離されるとは思えないから。


私は、おとなしく楓についていくことにした。