そのとき、屋上のドアが開く音がした。
賑やかな話し声…は、到底聞こえてこないから、誰かが1人できたんだろう。
私は、ひょいっと奥から顔を出した。
『…っ!!』
そこにいた人物に驚いた私は、その人から目を離すことなく、大和の肩を叩いた。
「……そ、うた?」
そう、そこにいたのは、悲しげな表情で空を見つめる颯太君だった。
『…ちょ、大和…。これ、いまチャンスなんじゃないの?』
「……かも、しれねぇ。あれだけべったりだった竹宮がいなくて屋上に1人…」
私と大和は、静かに座り直して、即席ではあるが、計画を立てた。
ネーミングは…そうだな。
【いきなりだけどやってみた!結菜と颯太寄り戻し大作戦!】
はい、すいません。適当です。
…上手く行くかわかんないけど。やるっきゃないよね!!
私と大和は目を合わせると、ゆっくりと頷いて立ち上がった。