「はあぁ……。」
聞こうとしなくても、耳に入ってくるような大きなため息。
それは紛れもなく、私の親友である鈴森結菜から聞こえてくるものだ。
…そうさせてるのは、私か。
私は、結菜の方は見ずに『ははっ』と乾いた笑いをこぼした。
私、西崎楓は幼い頃から結菜の親友だ。
…でも、ちょっと前に結菜と喧嘩をしてから、1度も口を聞いてない。
だって、ムカついた。
私は…結菜のことを心配して。わざわざ結菜の家押しかけてまで話したのに。
最近大和とばっかりいたのだって、結菜と颯太君を元に戻そうと、作戦会議してたからなのに。
それを。何も知らないで……。
…ということで、私と結菜は、今までにない大喧嘩中だ。