『……仕方、ないじゃん。もう、紗江ちゃんは颯太の彼女だし。私と颯太は、もう終わったんだから。』


私が、蚊の鳴くような声で呟くと楓は、それを潰すようにため息をついた。


「だから!!終わり方がはっきりしてなかったから、あんたは…納得できずにまだズルズルと好きでいるんでしょうが!!!」


でっかい声で怒鳴る楓に、空いた口がふさがらない。


「私はね。結菜。あんたとどれだけいたと思ってんのよ?結菜の凄さくらいわかってるよ。だから、理由がはっきりと分かってる結果だったら、ちゃんと乗り越えれること分かってる。

でも、今回の結菜は、無理やりすぎた。私は、結菜が無理してんの見たくないの!気付いてる?ちゃんと上手く誤魔化せてる…いや、変われてる。とか思ってんでしょ?

全然だよ。思いっきり悲しい顔する時があるんだよ。
そんな顔、私は見たくないんだって。」