結局大和君は、ぐんぐんと追い上げて、ほぼ同着で颯太にパスした。 颯太は、やっぱり速い。 風のように走っていた。 相手のアンカーだって十分速いのに、どんどん差を開いていく。 私は、走っている颯太に見惚れていて、結局直接応援することなく、リレーを終えた。 さっきは、頑張ろう。なんて思ったけど これで良かったんだと思う。 私はもう、颯太からしたらなんでもない存在だから。 見てるだけで、いいんだ。