「でも、結菜は?結菜、颯太君と付き合ってるよね?まだ付き合ってて、竹宮とのがデタラメなだけだよね??ねぇ、そうでしょ?結菜……?」
楓の問いに、私は静かに首を振った。
『楓、私がさっきまでの話聞いて、なんで『昨日颯太が認めた。』って分かったんだと思う?』
「………な、んで?」
『私、昨日颯太と別れたんだ。だから、全部分かった。やっぱ、颯太は紗江ちゃんのことが好きだったんだよ。』
悲しげもなく、淡々と話した私を見て、楓と大和君は、何も言うことなく目を伏せた。
『2人共。心配かけてごめんね?でも、私は大丈夫だから。』
それだけ言い残して、私は中庭を後にした。