窓の外はしとしとと雨が降り続ける。
紫色の花が目立つ時期。梅雨だ。


「…だるい。」

『同じく。』


雨降りは嫌いなんだよ。
なんかこう、ジメジメした感じが。



「結菜ちゃ〜ん、見て見てー!カタツムリ拾ったの〜。」

『うっわ!!…えっ、あ、え…ごめ、近づけないで……。』


手のひらの上にカタツムリを乗っけた男子生徒が、そのまま寄ってきた。

いや、真面目にやめてくれ。カタツムリは無理だ。


「わ、うそ、カタツムリ無理系!?うわー、ごめんねっ!!」


驚いた風に目を開き、大丈夫?と顔を覗き込む。

その時同時に、カタツムリも近づくわけで…。


わ、悪気がないのは分かったから…も、もうちょっと離れて。