「お前……なに勝手に帰ってんだよ。」


肩で息をしながら、私を睨む。


『なにって。教室に…颯太いな…かったからだけど。』


私は、初めて目の当たりにした颯太の睨みに怯みながらも言い返した。


「……結菜。お前、しばらく俺から離れんな。」

『は?』

「ずっと俺の近くにいろ。」

『なに、ど、どうしたの?颯太、なんかおかしいって。』


私は、笑って言い返したけど、颯太は同じように笑ってはくれなかった。

むしろ、深刻な表情をしてるんだ。


「…分かったな。」

『うん…。』


だから、私は、頷くしかなかった。