言ってから、颯太君を見上げようとすると、一気に視界が暗くなった。 身体に伝わる熱。 背中にかかる暖かい手。 颯太君に、抱きしめられてるんだ。 …ちゃんと、伝わったんだね…? 「まじ、信じらんねぇ。…俺、お前に嫌われてるとばっかり思ってた。」 『…馬鹿。それは、こっちの台詞だって。』 そうして、私たちは一旦距離をとり、長い長いキスをした。 私にとって、初めてのキスだった。