「カット!よかったよー」
監督の声とともに、本日分の撮影を終えた。
「今日はご迷惑をおかけしてすみませんでした。お疲れ様でした!」
「大丈夫大丈夫!次から頑張ろう」
隣では木下がスタッフに頭を下げていた。
それにスタッフは笑顔で対応している。
…新人だからってちょっと甘すぎるんじゃないかとも思うけど、まあハプニングだったしな。
「安藤さんっ」
「…木下」
名前を呼ばれ振り返ると、そこには申し訳なさそうにしている木下が立っていた。
「今日は本当にすみませんでした」
深々と頭を下げる木下。
「…別に平気」
少しぶっきらぼうに俺が答えると。
「…ありがとうございます」
木下はまた深々と頭を下げていた。