「てめ、ふっざけんな!」

その男は、私に向かって拳を振り上げてきた。

予想もしていなかった事態に、私は動くことさえできなかった。

ギュ!
これから起こることを想定して、目を瞑ったーーー……ー。


けど、いくら待っても私に痛みはやってこなかった。



「ふざけてんのはそっちだろうが!」

男とは また違う怒鳴り声、
びっくりして私は目を開けた。


すると私の前に、手を広げて私を庇っている浩多がいた。