「何、その男!許せないっ...」

私達は家に帰り、さっきの話を二人にした。

話し終えたとき、優子ちゃんがとっても怒っていた。


好きな人も見分けられないなんて、
有無を言わさずキスするなんて、と。


「ま、まぁまぁ。」
と浩多が優子ちゃんの怒りをしずめているとき...



ピーンポーン、ピーンポーン
と軽快な、玄関のチャイムがなった。



「誰?」

「..わかんない、」

私は、自分でいうのはなんだけど。

友達がいない。

つまり、この家を知る人は少ないということだ。


優子ちゃん。浩多。学校の先生。

この三人ぐらいしか身に覚えがない。


でも、いまだなり続けてるチャイムに、行かざるを得ない。


「..気を付けてよ、」

意味深そうに優子ちゃんが言う。