「瑠璃」

今日もいつもの通りに俊が屋上へ来た。

私が顔を上げると、いつもの笑みを浮かべた。

この頃 彼は、よく私の所へ来てくれる。

「また来たー」

彼の優しい笑顔を見ると、なんだか心がほっと落ち着く。

「来ちゃダメだったー?」

別に、と言い にっと笑った。

「最初の瑠璃の、あの緊張感は何だったんだか」

彼は、苦笑いした。

「あっ、ちょっと飲み物買って来る」

そう言って、俊は屋上を出て行った。

今、屋上には私独り。

一番最初を思い出す。

だんだん寂しくなってきて、胸が苦しくなった。