彼…俊は私の隣に腰を下ろした。
「美味しそう。食べないの?」
「あの、…あまりお腹すいてないんです…」
俊はフフッと笑った。
「俺、一年。敬語じゃなくていいよ」
「…うん」
チラリと俊の方を見ると、彼はパンを三つしか持っていなかった。
「…俊、よかったら食べる?」
すると俊は一瞬、驚いた顔をし、
それから愛くるしい笑顔を見せた。
「いるっ!」
その笑顔に、胸がきゅんと苦しくなった。
予鈴が鳴り、俊と別れ教室に戻る。
「早速だが……席替えするか!!」
…え?
「始業式当日に席替えって早い気がするんだがなぁー、出席番号順は、テストの時とか…なんらかとその席に戻ることが多いから、出来るだけ早くクラスに馴染めるように、さっさとするぞー」
なるほど。
私は納得したと同時に、先生は事前に作っていたであろう、箱に入った紙を一人ずつ引いていく。
その間に先生は黒板に席をかいている。
まぁ、私は清佳以外の友達はまだ出来ていないから、あまり気にすることはない。
私の順番がまわってきて、紙を引く。
当たったのは、窓際の後ろから二番目。
私は喜々として机を運ぶ。