その声にびくりと体が震えた。

突然の事に、顔をあげることが出来ない。

「……えっ…あ…の………っ」

どうしよう。男の子の、声…。

「…え、えと…」

頭の中が、真っ白になる。

すると、頭上からクスクスと笑い声が聞こえた。

「怖がらないでよ。一人?」

「え、あ、はい……」

「俺、長谷川 俊」

「あ、哀川 瑠璃…です」

私は俯いたまま、わけがわからないまま自己紹介をした。

「瑠璃」

私は、その人懐こい声に、そっと顔をあげた。

そこには、太陽を反射してキラキラと輝く黒髪の、可愛らしい笑顔の男の子が私を見て笑っていた。

「やっと俺を見てくれた」

彼は、嬉しそうに笑う。



それが、私と彼の出会い。

大切な大切な、私の出会い…。